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サーメット工具とは?超硬との比較や選び方、再研磨について解説 service

サーメット工具とは?超硬との比較や選び方、再研磨について解説

切削加工において、工具材料の選定は加工精度や生産効率、コストに直結する重要なポイントです。

そのなかで、近年注目を集めているのが「サーメット工具」。超硬合金の代替素材として開発されたサーメット製の工具で、特に高速切削や高精度加工での活躍が期待されています。

本コラムでは、サーメット工具の基本的な特徴からメリット・デメリット、超硬工具との違いや最適な使い分け、さらにはコスト削減に貢献する再研磨のポイントまで、分かりやすく解説します。

 

サーメット工具とは?

サーメットとは、セラミック (Ceramic) とメタル (Metal) を組み合わせた造語です。

セラミックのように硬く、金属のように粘り強いという両方の特性をもち、 高温・耐摩耗環境下での使用に適した人工素材です。

主に切削工具として使用されますが、化学プラントの機械部品や高温用ノズルなどにも用いられています。日本の工具業界では、サーメット工具といえば、炭化チタン (TiC) 基の超硬合金を指すことが多いようです。

 

サーメットは、超硬合金の代替素材として開発されましたが、主成分が異なります。超硬合金は炭化タングステン (WC) を主成分とするのに対し、サーメットは炭化チタン (TiC) を主成分とし、ニッケル (Ni) などの金属粉末を結合剤として使用しています。 これは TiC に対しては Ni の方が結合力を高くできるためです。

 

>>用語集|超硬

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>>超硬工具スクラップは、再研磨でリサイクルしてSDGsに貢献!

>>【動画解説】ミスミ製4枚刃φ10超硬エンドミル 再研磨してみました

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サーメット工具のメリット・デメリット

サーメット工具のメリット・デメリットとしては下以下のようなものがあります。

サーメット工具のメリット

  • 親和性が低い(溶着しにくい)

親和性とは、ある物質が化学反応によって特定の物質と結合しやすい性質を指します。

切削状況では摩擦によって被削材や刃先がかなりの高温になるため、化学反応しやすくなったり、被削材の融点が低いと切りくずが溶け出しさらに結合しやすくなります。

親和性が高いものは、結合すると刃先が変形しやすくなったり、加工面が荒れたり加工寸法が大きくなるケースもでてきます。一方で親和性が低いものは、結合しにくく、加工性や品質面での安定性が高い素材ということになります。

サーメットは鉄との親和性が低いため、構成刃先が発生しにくく、鋼の高速切削に適しています。

>>用語集|構成刃先 とは

 

  • 高温でも硬さが安定

サーメットは、温度が上昇しても硬度低下しにくい特徴をもっています。一般的な金属材料では温度上昇に伴い硬度が低下しますが、サーメットは常温と同等の高硬度を高温下でも維持できます。そのため、高速切削に向いています。

 

  • 耐酸化性に優れている

サーメットは耐酸化性に優れているため、刃先寿命が長くなります。

 

サーメット工具のデメリット

  • 衝撃に弱い

サーメットの主成分のチタンやタンタルは化学的安定性が高く、結合剤とも反応しにくいため、衝撃に弱く欠けやすいです。超硬合金と比較しても靭性が低いため、衝撃には弱く、加工中に欠けやすい材質です。

 

 

前述の通り、サーメットは超硬合金の代替素材として開発された人工素材です。

では、サーメット工具と超硬工具はどのような違いがあり、どうやって選べばよいのでしょうか?

次はサーメット工具と超硬工具の比較と選び方について解説いたします。

 

サーメット工具と超硬工具の比較と選び方

メリット デメリット
超硬工具 – 汎用性が高い

– 強度・靭性が高い

– サーメット工具に比べ、価格が安い

– サーメット工具に比べ、耐摩耗性、耐熱性はやや劣る

– 高速切削にはサーメット工具ほど適さない

– 仕上げ面粗さではサーメット工具に劣る場合がある

サーメット工具 – 耐摩耗性、耐熱性が非常に高い

– 高速切削が可能

– 美しい仕上がり面が得られる

– 寸法精度が出しやすい

– 靭性が低い、耐チッピング性が低い

– 断続切削や衝撃荷重のかかる加工には不向き

– びびりやすい加工環境は不向き

– 超硬工具に比べ、価格が高い

サーメット工具と超硬工具、どちらの工具を選ぶかは、加工する被削材の種類要求される加工精度・面粗さ

切削条件加工機械の剛性コストなどを総合的に考慮して判断する必要があります。

  • 汎用性、強度、コスト重視超硬工具
  • 高速切削、高精度、美しい仕上がり面重視サーメット工具

 

例えば、粗加工や断続切削、汎用的な鋼材の加工などには超硬工具が適しています。

一方、ステンレス鋼や合金鋼の仕上げ加工、高速切削による高能率加工、高精度な部品加工などにはサーメット工具が適しています。

超硬工具とサーメット工具はそれぞれ異なる特性を持ち、得意とする用途が異なります。

加工内容に合わせて適切な工具を選択することで、効率的で高品質な加工を実現できます。

 

 

サーメット工具の再研磨

再研磨. comではサーメット工具の再研磨が可能です。サーメット工具は超硬工具と比較して価格が高く、

再研磨せずに摩耗してしまったサーメット工具を交換しているとコストがかかってしまいます。

そこで、サーメット工具を再研磨することで、工具寿命を延ばし、コスト削減に繋げることが可能です。

>>値上げラッシュ!インフレ時代における切削工具の値上げ事情と、再研磨によるコストメリットについて解説!

 

 

再研磨.comが実際に行った、サーメット工具の再研磨事例

それでは、実際に当社が行ったサーメット工具の再研磨事例のご紹介です!

先端12mm 2枚刃 サーメット 強ねじれスクエアエンドミルの再研磨

こちらは当社で手掛けた、φ12、2枚刃のサーメットスクエアエンドミルの再研磨事例の一つです。
外周刃裏、先端の研磨を施しています。

>>事例詳細はこちら

 

先端10mm(R5) 2枚刃 サーメット材ボールエンドミルの再研磨

こちらは当社で手掛けた、R5、2枚刃のサーメットボールエンドミルの再研磨事例の一つです。

再研磨にはCNC工具研削盤を使用しております。

>>詳細はこちら

 

 

サーメット工具についてお悩みの方は、再研磨.comにお任せください!

再研磨.comを運営する株式会社宮本製作所では、焼結金属と呼ばれる非常に硬い素材の加工を行っており、その過程で得た加工に関するノウハウを活かし、工具の再研磨を行っています。

再研磨.comでは、ドリルやエンドミル、リーマ等の切削工具を高い品質で再研磨するため、最新の加工設備や検査設備を取り揃えています。当社の再研磨は、職人が手作業で行う再研磨とは異なり、繰り返しの精度が高い、安定した品質での再研磨加工を可能としています。

>>再研磨工具の品質保証サービスはこちら

 

当社は、お客様が使用済みの工具を再研磨加工することで、刃物そのものの延命化を実現します。一般的に再研磨のコストは、工具購入コストの1/5~1/10程度です。そのため、お客様のコスト削減に大きく貢献することができます。

また、従来の切削では無理があった箇所を修正し、負荷を軽減することで、より多くの切削が可能となる刃物を提供します。ただ工具を再研磨するだけでなく、作業の効率化を図ることができる低コスト工具の提供を行っています。

さらには規格品よりも、高精度の加工をより少ない工程で加工を実現する工程集約工具への改造にも対応しています。

>>工程集約!特注改造工具の開発サービスはこちら

 

 

 

このほかにも再研磨.comでは、ドリルやエンドミルの再研磨に関する情報発信を行っております。ぜひご覧ください!

 

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切削加工会社である当社が、片手間で行う事業ではなく、工具研磨専用の加工設備・検査設備を取りそろえておこなっている、本気の再研磨です。そのため、どこにも負けない品質で工具の再研磨加工を行うことをお約束いたします。当社は、「再研磨の匠にしかできない技を、貴社の刃物に。」を合言葉に、一本一本の再研磨に魂を込め、お客様を“工具”からサポートいたします。

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