ヘッド交換式工具の上手な使い方とは? 実はヘッド交換式工具も再研磨できるんです!
ヘッド交換式工具とは、その名の通り、刃を交換できる工具のことです。当社でもヘッド交換式工具は多数の実績がございます。
そんなヘッド交換式工具を使用されているあなたは、こんな疑問や悩みを持ったことは一度はあるはず。
「ヘッド交換式工具を使いこなせていない…。」
「安く使えるのだとは思うけど、精度が心配だからな…。」
「え?ヘッド交換式工具って再研磨できるの!?」
ヘッド交換式工具は、そのメリットやデメリットをきちんと把握した上で、その特徴を最大限活かすような使い方をすることで、効率性とコスト削減に寄与することができる工具です。また皆様がご存じないのが、ヘッド交換式工具も再研磨できるということです。ヘッド交換式工具は、摩耗したらヘッドを交換するもの、だという先入観がある方も多いようです。しかし、ヘッドを再研磨して再度利用することで、さらなるコスト削減が見込めるのです。
今回はそんなヘッド交換式工具に関して、まとめてご説明いたします。
ヘッド交換式工具とは?
ヘッド交換式工具とは、その名の通り、刃を交換できる工具のことです。
刃具には、一般的に使用される一体型のものと、ヘッドとシャンクに分かれてネジ式で締結できるヘッド交換式、また、刃先だけを交換できる刃先交換式の、大きく3種類があります。どの工具にも特徴があり、上手に使うことで生産性向上やコスト低減に繋がります。
ヘッド交換式工具の特徴とは?
ヘッド交換式工具はその名の通り、工具の頭の部分とシャンクがネジ式で締結できる工具です。
そのため購入時、初回はシャンクとヘッドのセットで購入する必要があります。
また、ヘッドはあまり長い物はなく、エンドミル等では交換式でない一体型のソリッドエンドミルと
比較するとヘッド交換式は刃長が短くなります。
ヘッド交換式工具のメリットとは?
続いて、ヘッド交換式工具のメリットをご紹介いたします。
刃具交換作業が短縮
使用限度に達したときの刃具交換は、ヘッドを交換するだけで済みます。そのため、ツーリングの脱着や振れ確認、位置補正などの工数が不要となりますので、タイムロスが低減できます。
刃長が短いため高剛性
これは一体型のソリッドエンドミルでも同様ですが、一般的に刃長が短いと剛性が高くなります。そのため、必然的に刃長が短いヘッド交換式工具は剛性が高くなります。また、シャンクホルダーとヘッドを共に超硬を選ぶことで、さらに高剛性となります。
ヘッドのみを購入するため経済的
ヘッド交換式工具では、ヘッドのみを購入するだけなので、非常に経済的的です。一体型の工具では、当然シャンクの部分にも購入コストは掛かってきますが、ヘッド交換式工具では1度シャンクホルダーを購入すれば、万が一刃先が摩耗したとしても以後はヘッドのみを購入するだけなので、コスト削減につながります。
ただし、ヘッド交換式のドリルの場合はホルダーの溝や外周のマージンも摩耗してきますので、ある程度の使用限度があります。
ヘッド交換式工具のデメリットとは?
一方、ヘッド交換式工具にはデメリットもございます。
一体型工具と比較すると精度が落ちる
ヘッド交換式工具は、ヘッドとシャンクをねじで締結する工具です。そのためねじの締め方などの要素によって、若干精度が落ちることがあります。
刃長が短いため可能な再研磨回数が少ない
ヘッド交換式工具も再研磨は可能です。ただし、刃長が短い分だけ、再研磨できる回数は少なくなります。
ヘッド交換式工具の上手な使い方とは?
以上のことから、ヘッド交換式工具の最も大きな特徴は、刃具交換作業が短縮されることだと言えます。そのため、ヘッド交換式工具は、使えば使うほど、交換すれば交換するほど、効果ができてますので、刃先交換工具の特徴を最も活かす使い方は、下記のようにまとめられます。
- 1本のシャンクと多数のヘッドを用意する
- 効率よく機械を稼働させる量産加工で用いる
- ラフィングタイプのヘッドで粗削り用に使用する
- 再研磨も上手く活用する
ヘッド交換式工具は、試しにシャンクとヘッドを1セットずつ購入される方も多くいらっしゃいます。しかし、それでは刃先交換工具の特徴を活かすことができません。刃先だけ交換すればトータルコストを削減できるのが特徴のため、刃先交換工具を使用する際は、1本のシャンクと、必要な数だけヘッドを用意して使用するのが好ましいです。
また、ヘッド交換式工具は、工具の取り付け時にも大きな効果を発揮します。そのため、ヘッドのみ交換して使いまわせる刃先交換工具は、量産加工で用いて、効率よく機械を回して用いることができます。当社では焼結金属のような難削材の加工を行っておりますが、主に量産加工で刃先交換工具を使用しています。
また刃先交換工具は、剛性は高いものの、精度面では不安定な場合もあります。そのため、ヘッドはラフィングタイプで、粗削り用で
使用するといいかもしれません。
ヘッド交換式工具は再研磨できるの!?
当社によくいただくご質問として、「ヘッド交換式工具って再研磨できるの!?」というお声があります。刃長が短く、摩耗したら別のヘッドに変えて使用するものだと思われている方が、非常に多くいらっしゃるのが事実です。
>>「ヘッド交換式工具は再研磨できない」と思われている理由とは?
しかし、ヘッド交換式工具も再研磨は可能です。
当社の再研磨サービスをご利用いただいているお客様でも、ヘッド交換式はラフィングエンドミルが多く、使用した刃長をカットして底刃を再刃付けする再研磨がほとんどです。
>>ヘッド交換式工具と通常の交換式でない一体型工具とで再研磨方法に違いはありますか?
刃具交換を効率よくするためには、径は変えずに、使った分だけカットする方法をおすすめしております。また、粗削りで使用するものであれば、再研磨後のヘッド長をある程度揃えて、刃具交換時の位置測定を省き、時間短縮を図ることも可能です。
再研磨.comでは、社内で焼結金属部品の量産加工を行っており、そこで培った再研磨技術をお客様にご提供しております。徹底的に効率化とコスト削減にこだわった工具提案をしており、高精度な工具検査も行っており、お客様からもご好評のお声をいただくことができています。
再研磨.comでは、スクエア、ラフィング、ボールなどの各エンドミル、スパイラルドリル、カウンターシンク、リーディングなど、当HPの再研磨事例で紹介している刃具のヘッド部であれば全て再研磨可能です。
再研磨.comが実際に行った、ヘッド交換式工具の再研磨事例
それでは、実際に当社が行ったヘッド交換式工具の再研磨事例のご紹介です!
先端16mm 超硬 ヘッド交換式4枚刃ラフィングエンドミルの再研磨
こちらは当社で手掛けた、先端16mmのヘッド交換式ラフィングエンドミルの再研磨事例の一つです。
粗削り用のラフィングエンドミルのコーナーはギャッシュを当てた「あたり付き」にしてあります。
先端16mmヘッド交換式不等リード4枚刃エンドミルの再研磨
こちらは当社で手掛けた、ヘッド交換式超硬エンドミルの再研磨事例の一つです。
使用した刃長の分だけ底刃で追い込み再研磨しました。
ヘッド交換式コーナーCエンドミルの再研磨
こちらは当社で手掛けた、ヘッド交換式超硬エンドミルの再研磨事例の一つです。
4枚刃、先端径12mmのコーナーにC1を付けたエンドミルです。
4枚刃ヘッド交換式エンドミルの再研磨
こちらは当社で手掛けた、ヘッド交換式超硬エンドミルの再研磨事例の一つです。
4枚刃、先端径16mmのエンドミルで5mmカットして底刃の再刃付けをしております。
刃先交換式リーディングドリル 再研磨
こちらは当社で手掛けた、面取り用のリーディングドリル再研磨事例の一つです。こちらのリーディングドリルは、刃先交換式となっております。
刃先交換式エンドミルの再研磨事例
こちらはM社製刃先交換式のエンドミルの再研磨事例です。
深さ約5mmの溝加工に使用されており、使用した分の5mmをカットし
底刃を再刃付けしました。
ヘッド交換式リーディングドリル
こちらは当社で手掛けた、ヘッド交換式リーディングドリル再研磨事例の一つです。
3枚刃ヘッド交換式エンドミルの再研磨
こちらは当社で手掛けた、ヘッド交換式超硬エンドミルの再研磨事例の一つです。
3枚刃、先端径20mmのエンドミルで底刃のみを再研磨しております。
ヘッド交換式ドリルの再研磨
こちらは当社で手掛けた、ヘッド交換式ドリルの再研磨です。
ヘッド交換式ラフィングエンドミルの再研磨
こちらは当社で手掛けた、Φ16ヘッド交換式ラフィングエンドミルの再研磨事例の一つです。径の変更不可とのご依頼を頂き、使用部分をカットして再刃付けしました。
このほかにも再研磨.comでは、ドリルやエンドミルの再研磨に関する情報発信を行っております。ぜひご覧ください!
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>>ドリル寿命の判定方法とは?診断方法、寿命判別式までご紹介!
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【再研磨の匠にしかできない技を、貴社の刃物に】
切削加工会社である当社が、片手間で行う事業ではなく、工具研磨専用の加工設備・検査設備を取りそろえておこなっている、本気の再研磨です。そのため、どこにも負けない品質で工具の再研磨加工を行うことをお約束いたします。当社は、「再研磨の匠にしかできない技を、貴社の刃物に。」を合言葉に、一本一本の再研磨に魂を込め、お客様を“工具”からサポートいたします。
ドリルやエンドミル、リーマなどの切削工具の再研磨を検討されている方は、まずは再研磨.comへお気軽にご相談ください。