ドリルへの溶着の原因とは?溶着を防ぐ方法まで解説!
ドリルに関するよくあるトラブルの1つとして、溶着が挙げられます。溶着とは、切削で生じた熱等によって化学反応を起こして、切りくずが工具との接面に結合したり、溶解されたものが刃具にまとわりついたりする現象のことを指します。
この溶着を抑えるためには、溶着の原因やメカニズム、構成刃先との違いを理解した上で、切削条件や工具に対して、対策を施す必要があります。
ここでは、これまで様々な切削工具の再研磨を行ってきた当社の視点で、ドリルの溶着原因やメカニズム、その対策方法を、工具の再研磨や改造の視点から、まとめて解説いたします。
ドリルに溶着が発生する要因とは?メカニズムを解説
切削工具が被削材を削っていくその接面は、とても過酷な状況になります。
切削工具は被削材をむしり取るように削っていくので、その刃先は被削材から圧力を受け、高回転の摩擦によって刃具の温度が上昇、さらに切削のエネルギーが熱に変換されて数百度もの温度になったりします。
その高まった熱は、被削材の切りくずなどから外に逃げていけば問題ありません。しかし被削材の性質によっては、熱伝導率が悪いものや、融解点が低く溶け出してしまうものがあります。
そして切削工具との親和性が高いとその熱等によって化学反応を起こして、切りくずが工具との接面に結合したり、溶解されたものが刃具にまとわりついたりすることがあります。これを溶着、または凝着といいます。
ドリルの溶着によるトラブルとは?溶着と構成刃先の違いとは?
ドリルのマージン部分等の溶着が進行していくと、溶着の厚みの分、寸法が大きく切削されてしまいます。
また底刃に溶着が発生すると、切れ味が落ちて切削抵抗が増えてしまい、刃具の折損やチッピング、加工の位置ずれにつながります。
さらに刃先に溶着が成長していくと、溶着部分があたかも刃具の刃先のようにふるまい切削していく現象を構成刃先と言います。
よく「アルミを加工すると溶着が発生する」と言いますが、これはアルミは融解度が約660度と低く、溶け出して刃具に溶着するためです。
構成刃先は成長して膨らみ、やがて切削抵抗に耐えられずむしり取られるということを繰り返します。
また、溶着や構成刃先によって加工面の面粗度が悪くなることがあります。そのため、ドリル加工の際には溶着や構成刃先が起こらないように対策する必要があります。
ドリルの溶着を防ぐ方法とは?
ドリルの溶着を防ぐには、下記のような方法があります。
- 切削液を適切に使用する
- すくい角を大きくする
- エアロラップ処理をして切りくずの排出性を高める
- 耐溶着性や熱伝導率の高いコーティングを施す
基本的にどの方法も、切削領域での熱を逃がすことを目的とした方法になります。
まず切削液については、ドリルでの加工の際に切削液を適切に使用することで、切削領域から熱を逃がすことができるようになります。
また工具形状においては、すくい角を大きくすることで切りくず排出性を高めることができます。
ただし、どうしてもすくい角のないバニシングドリルを使用したいということもあると思います。その際は、エアロラップで刃具表面を滑らかにしたり、耐溶着性や熱伝導率の高いコーティングを施すことも、非常に効果的です。
>>本当にエアロラップ処理は工具の長寿命化に効果があるの?【実際に検証しました】
その他、ドリルに関する記事は、下記をご覧ください。
>>ドリル寿命の判定方法とは?診断方法、寿命判別式までご紹介!
>>バニシング工具を再研磨に出すべきタイミングを知りたいです。
寿命がきたドリルを、捨てる&貯めるのはもったいない!
超硬やハイス製の工具は、非常に特殊かつ材料単価が高い工具です。一方、多くの企業が工具は使い捨てであると考えてしまって、廃棄してしまうもしくは棚にしまったまま…といったことが起きています。
工具を使い捨てと勘違いしたまま廃棄してしまうと、工具が摩耗する度に新しい工具を購入しなければならず、工具の購入コストがかさんでしまいます。また、もったいないと思ったまま使用済み工具を棚にしまったままにしていると、工場内で無駄なスペースをとってしまい、在庫管理面でコストがかさんでしまいます。
ドリルの再研磨事例
続いて、実際に当社が行った3枚刃ドリルの再研磨事例をご紹介いたします。
【先端8mmツイストドリルの再研磨】
こちらは当社で手掛けた、ドリルの再研磨事例の一つです。Rシンニング、先端角140度、ホーニング有りで再研磨しています。
【先端10mm超硬ツイストドリルの再研磨】
こちらは当社で手掛けた、超硬ドリルの再研磨事例の一つです。Xシンニング、先端角140度、ホーニング有りで再研磨しています。
【先端10mmハイス鋼ツイストドリルの再研磨】
こちらは当社で手掛けた、ハイスドリルの再研磨事例の一つです。Xシンニング、先端角140度、ホーニング無しで再研磨しています。
【円錐ドリルの再研磨】
こちらは当社で手掛けた、円錐ドリルの再研磨事例の一つです。底刃は円錐で、シンニングはXシンニングとなっております。
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