新規量産品の加工のため、ある程度まとまった本数のドリルを購入しようと考えてます。超硬刃具は高価なのでハイスにしようか、高価でも超硬にしたらいいのか迷ってます。
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- 新規量産品の加工のため、ある程度まとまった本数のドリルを購入しようと考えてます。超硬刃具は高価なのでハイスにしようか、高価でも超硬にしたらいいのか迷ってます。
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まずは、ハイス鋼と超硬のそれぞれのメリットとデメリットをご紹介いたします。
ハイス
メリット ●超硬に比べて安価である(ハイスの価格は超硬の約1/4~1/5) ●ハイス鋼は粘り強さ(じん性)があり、衝撃等が加わっても折れたり欠けたりしにくい デメリット ●じん性がある分、切削時に刃具が流されたりよじれたりして精度が落ちることがある ●施せないコーティングの種類がある ●超硬と比較して硬さが低く、耐摩耗性が落ちるので再研磨の頻度が高い ●超硬と比較して硬さが低く、高速切削ができない 超硬
メリット ●硬度が高く、耐摩耗性が高い ●硬度が高く、高速切削ができる ●切削中の刃具のよじれ等が少なく、精度の高い切削ができる ●コーティング種類が豊富 デメリット ●高価 ●硬度があるため粘り強さが低くハイスと比較すると欠けやすい と、このように、それぞれ長所短所がございます。
今回は量産品の加工とのことですので、ポイントは切削速度と、耐摩耗性、加工精度になるかと思います。
量産品では、サイクルタイムを可能な限り短縮して、刃具交換の頻度も少なくしてアウトプットを稼ぐことが重要となります。
また、加工不良を出さずに高歩留まりを狙うこともとても重要です。となると、高速切削ができて、耐摩耗性が高い、また、ハイスと比較して加工面の粗さ精度や位置精度も高い超硬工具を選択することをお勧めいたします。
また、ワーク素材に合ったコーティングが施された刃具を選ぶことでさらに耐摩耗性が向上し、刃具交換頻度を低くすることができます。是非ワークに合ったコーティングがされた刃具をご使用ください。刃具交換(刃具が使用限度に達成して再研磨に出す)タイミングも、酷く刃先が摩耗したり、欠けたりするまで使用せず、程よい所で再研磨するようにすると、再研磨で落とす量も少なく済むため、刃具自体の寿命も長く、結果的にコストダウンに繋がります。
再研磨の依頼の際は再コーティングの指示もお忘れなく!
再研磨.comを運営する株式会社宮本製作所では、ドリルやエンドミル、リーマなどの切削工具の再研磨を行っております。当社は、「切れ味の悪くなった工具を元の工具と同等もしくはそれ以上に“切れる”刃物とする」というポリシーのもと、コスト削減を刃物から実現することにあります。
切削工具の再研磨を検討されている方は、お気軽に再研磨.comにご連絡ください。